「on」は「接触」では足りない 〜前置詞の学習の注意点〜
- タカシ 毒島
- 2022年1月23日
- 読了時間: 3分
初めまして!英語講師の毒島です。
これから不定期でこのブログに、少しでも役立つ英語知識、当塾の大切にしていること等、記入して行きます。
初回として、今日は前置詞の「on」についてお話しします。
昨今、某CMで前置詞の「on」は「接触」という概念が広く行き渡りました(ここで予め述べておきたいのは、その講師の事は尊敬しておりますし、同じ予備校講師として、私の遙か先を進まれている方で、私にとって「ここまで来られるぞ!」と、進路を照らしてくれる灯台の様な方です。前置詞onが接触と言うのは、その講師だけが言っている事ではなく、英語教育に幅広く普及している概念であり、私はそこについて今回の意見を述べたいのです。) しかし、私は前置詞onは「接触」だけでは足りない!という事を主張して、前置詞の学習の注意点について述べたいと思います。
例えば、次のフレーズをご覧ください。
A fly on the ceiling (天井に止まっているハエ)
the map on the wall (壁に掛かっている地図)
勿論、これらは接触のイメージです。しかし、この二つの例からわかる通り、これらの例を抽象度を上げて「A on B」の構図で表すとき、常に「A→B」の右方向になります。つまり、“ハエ→天井”に攻めているのであり、“地図→壁”に寄り掛かっているイメージなのです(壁や天井から迫って来たら怖いですね。)
ここで「接触」という概念を以下の様に2点訂正したいと思います。
①「A on B」の構図で常に考え、大切なのは常に「A→B」の矢印であり、
「B」=「受け皿」と解釈すること。
②「B(=受け皿)」は、“固定物”でも“流動的な流れ”でも、どちらでも良いこと。
…以上のように、定義を修正すべきだと思います。上記2例で言えば、「B=天井や壁」で、「固定物」ですので、ハエや地図をガッチリ受け止めて(支えて)くれる「キャッチャー」のような役割りになります。この「キャッチャー」という視点が、onについては非常に大切なのです!
つづいて、次の例を見てみましょう。
The membership of the club is on the increase. (そのクラブの会員は増加中である。)
この場合は「A=The membership of the club」であり、「B=the increase」です。
つまり、「A is on B.」の構図ですね。今回のポイントは「B = the increase = 流動的な流れ」ととることです。イメージはベルトコンベアーの上になにか物を置くことです。そのまま勝手に流れていきますよね。
そんなイメージで、「AはBの流れに乗って、そのまま流されていく」…ということになります。従って、「増加中」の意味となり、「最中」の意味がonに出てくるのです。
他にもこの「B=キャッチャー」の意識から派生していくと、onはいろいろ分かりやすくなりますが、長くなるので今回はここまでにします。YouTubeでもonについての動画を上げておりますので、ご興味ございましたら、ご確認ください↓
最後に、前置詞の学習での注意点について。よく「at=1点」「on=接触」など、前置詞だけを見てイメージを膨らまそうとしますが、今回の例で分かるように右と左の2項を前提に考えて「A at B」とか「A on B」の構図で考えないと、正しいニュアンスが見えてきません。独習される方は、この視点を意識して前置詞を学習していってくださいね!
ではこの辺で失礼します!
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