英語講師がなかなか言わない本音…
- タカシ 毒島
- 2022年1月23日
- 読了時間: 5分
皆さん、どうも毒島です!4月に入って暖かくなってきましたが、まだまだ寒暖差のある時期ですので、お体に気を付けて下さい。
さて、本日は「条件とは③」をちょっとお休みして(一つの話題ばかりも飽きますので、たまには違うネタを!)、「英語講師がこれを言ってる姿、あまり見たことがないな~」という本音をこのブログに述べてしまおうと思います!
よく世の中の学習アドバイスで、ターゲット、シスタン、ネクステ、やっておきたい英語長文…などの典型的な参考書のアドバイスがなされます。ターゲットのやり方はこうだとか、ネクステはこうやれとか…
しかし、私大医学部や難関国公立、早慶などの過去問を実際に解いてきた身から、段々気付いて来て、確信に到ったことがあります。それは…
「そんな典型的な参考書レベルやり終えた程度では、全然最難関大に届かないではないか!一体どこまでのレベルを大学受験は要求しているのか!?」
…という事です。最難関大の英語入試というのは、本当にえげつないレベルを聞いてきます!典型的な単語帳の語彙リストに載っていない単語も余裕で「注」も無く出てきますし、文法も重箱の隅をつつくような「誰が知っているのだ?」と、突っ込みたくなるような文法・表現も出ます。
こういうと世の英語講師は「いやいや、捨て問でしょ!」等と言うかもしれません。しかし、それは本当に捨て問でしょうか? 確かに、私の目から見ても「さすがにこれは理不尽。誰が見ても捨て問だな」というラインはあります。しかし私の現場経験では、他の講師が「捨て問」と切り捨てていた問題を、余裕で知ってて解けた生徒も実際に一定数見ているのです。
例えば大手予備校でトップを張り、何十年も過去問を研究し尽くして来た、極一部の“大学受験の神様”と言えるような方が、もしそう判断するのであれば、確かにそうなんでしょう、私もその方々から見れば、まだまだ若造ですから、反論の余地はありません。
しかし、我々一般の英語講師は、あまりに簡単に「捨て問」と言い過ぎていないでしょうか?我々の研究量が不足しているという事は無いのでしょうか?そして、「解き方」だとか「解法」など、パターンにはめて、生徒に“まやかしの安心”を与えていませんか??
…私は現場で教えていて、常々こういう英語講師の“気質”に違和感を覚えます。そして、生徒たちも安易なものを探すようになるのです。これは我々大人の責任ではないか、と思っています。
考えてみてください。いわゆる「英才教育」を受けている子たちは、もう中学生から(あるいはもっと早くから)学習環境が違います。この子たちは一流の塾に通い、「超」進学校と言われるような一流の学校に入り、エリート同士で学力でしのぎを削り合うような環境に身を置きます。
カリキュラムも普通よりどんどん進むので、実質、高校一年生の後半くらいには“典型的な大学受験”の勉強は終え、更に発展的な内容、十分なアウトプットの訓練も出来ていることでしょう(現に私の予備校でも、中学3年生時点で、普通なら高校3年生が習うようなことを教えております)。
こんな学生と、“普通”の進学校で過ごしてきた子と、どれだけ学力の差が出来ていることでしょう?…当然、もう追いつけないような雲泥の差が出来ています。
そもそも、英語はもっと小さい頃から学習環境が違います。親の影響で、帰国子女、バイリンガルの学生も一定数おり、英検一級を既に取っている子も(少数ながら)存在するわけです。
そういう猛者たちが集って競う場が「最難関」と呼ばれるレベルであり、そういう子達をふるいにかけるような問題も出ます。…そりゃ壁も高くなるわけです。「高校3年間の勝負」と思っていては、到底勝てません。
そして、そんな難問を安易に「捨て問」とレッテル貼りをして、典型的な事だけをやっていれば良い!…と蓋をしてしまえば、上記の「スーパー学生」の思うつぼです。確実に点数差は開きます。勿論、そういう人たちには抜かされても、“隙間産業的”に下のレベルでも、その大学に受かればよいのですが、それ自体が典型的なレベルの習得だけでは大変難しいのです!
…長くなりましたが、以上の背景から、私は現場で教えている生徒には、「大学受験は“青天井”だぞ!やれる限りで、出会ったものは全て覚えよ!」という方針で指導しております。難関大入試に出てきた“捨て問”と言われる可能性のある難問も、長文に出てきた単語帳リストに載っていない難しい単語も、出会った以上、大切にして余すところなく覚えよ!と指導しております(時には背景知識として重要になる可能性もありますから、人名さえも「その人の背景と共に覚えておくとよい」と伝えております)。
こうやって実戦レベルの学力というものが養われていくわけですが、これは私自身が試して大切だなと、確信した方法です。そして、過去問の研究していくうちに、“本当に到達してほしい英語力”の像が見えてきました。
それは、…
①いわゆる典型的な大学受験レベルというのは、2年生までには済ませている事。そして残り1年は“典型的な受験生”では及ばないような英文法の練習量、そして様々な難関大の過去問の長文に触れ、高度な語彙、構文把握、難しい論理展開の解読、話題の背景知識等の実戦レベルに1年たっぷりと費やすこと。
②“典型レベルの受験生”には及ばない語彙力を培う事。私的には英検準1級レベルまではやっておくことが最低限と思っております(「合格レベル」では実質不足です。英検準1級の単語帳を9割は即答できるか?というレベルです)。
…以上を踏まえ、最難関大に行きたい学生がこれを見ていたら、覚悟してください!と言いたいです。そして、高校1年生から全力疾走で、もう大学受験のつもりで始めてください(もちろん学校生活も青春も大切にしてください)というメッセージを送りたいです。(一部の超天才を除いて、)それくらいのつもりでやって丁度よいくらいなのです(決して“オーバースペック”ということはありません)。
「最難関大」の大学受験というのは、「あくまで現役合格」を目標にするなら、実質高校2年生までには大体勝負は決まっているという事を、忘れないで、日々の勉強に取り組んでください。
このブログが、少しでも世の高校生のやる気を呼び起こすブログになれていたら、私も幸いです。ここまで長文をお読みいただき、ありがとうございました!
次回は「条件とは③」をちゃんと更新しますね。
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